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住宅ローンに融資期間が50年に。令和のゆとりローンに要注意?

今回は「住宅ローンに融資期間が50年に。令和のゆとりローンに要注意?」のお話です。

今回のブログは少し長めになるので興味の無い人はスルーしてもらって大丈夫ですし、少しでも興味がある方にとっては、ほんの少しだけ頭の片隅に留めてもらうくらいで良いでしょう。

近年、建築資材の高騰や不動産価格の上昇により住宅ローンの借入期間を35年から40~50年にしている方が増えているようですね。

借入期間が35年でも長く感じますが、更に15年も多くなる50年にもなると「返済が終わるの?」と思ってしまいますね。

今からさかのぼる事の33年前には住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)が販売していた「ゆとりローン」という金融商品がありましたけど、私は古い人間で任意売却に携わってきたので思うのですが「住宅ローン借入期間50年」とタイミングを内容が似ていて少しですが怖さを感じています。

皆さんは、平成のゆとりローンはご存じですか?

ご存じない方のためにざっくりですが解説しますね。

ゆとりローンは、住宅金融公庫が1992年(平成4年)に融資を開始した住宅ローンです。

この1行を読んだだけで「あれ?」「ん?」と思う方は鋭いですよ。

ゆとりローンがの融資開始時期の1992年は、平成のバブル経済が崩壊し始めたと言われている時期です。

平成のバブル経済が崩壊する契機と言われているのが1990年3月に大蔵省が各金融機関に対して行われた行政指導の「不動産融資総量規制」(以下、総量規制です。

この総量規制は、1989年頃までに異常ともいえる不動産価格の上昇の原因と言われている投機目的での不動産取引と、それに伴う金融機関の不動産融資を規制し歯止めしようというのが狙いだったと言われています。

この総量規制自体は1年9カ月で終わっているのですが、この規制を発端に不動産取引が急激に減少して不動産価格の下落が起こり、金融機関は貸し付けている不動産向けの融資がの不良債権が急激に増えて破綻する金融機関までありました。

このような事が起きていた時期に住宅金融公庫が始めた住宅ローンがゆとりローンということになります。

ゆとりローンが始まった1992年を振り返ってみると、バブル経済の余韻が残っていて好景気を不景気が入り混じっていて「何か少しおかしくなってるのかな?でも、大丈夫だよね」なんて雰囲気の世の中だったかもしれません。因みに、筆者は20歳の頃です。

このような世の中だったので、不動産が高止まりと総量規制の影響で不動産市況の冷え込んだ状況を変えようと思ってのゆとりローンだったかもしれません。

前置きが長くなりましたが、ゆとりローンの内容は、当初の5年間は低金利で金利だけを払っている状態なので返済は楽なのですが、6年目から通常の返済額が開始されて11年目以降は金利が上がり、月々の返済額は返済開始時の2倍くらいの返済額になるという融資内容でした。

私は、リーマンショックから1年後位から、このゆとりローンの破綻で任意売却で自宅を処分する方を数えきれないくらい見てきました。

この当時を思い出すと、売主様のほとんどが口にするのが

「住宅ローンが払えなかったら売却すれば良いと思ってた」

「まさか、こんなに不動産が下がると思わなかった」

「不動産を買った時には給料が上がり続けると思ってたけど下がる一方だった」

その他にも、様々な思いを耳にしましたが、そのほとんどが

「予測できなかったことが起きて、それに対応できなかった」でした。

私個人の見解ですが、2025年の現時点で三十数年前に状況が似てきてしまっているのかなと思ってしまいます。

現時点では、不動産バブル状態が続いているのは東京の中心5~6区と各地方都市の主要部だと思われます。

その他の地域の不動産の動きが鈍化した事を融資額と融資希望者の収入が合わなくなったことにより、住宅ローンの融資期間を増やさざるを得ない状況なのでしょう。

住宅ローンを借入期間50年で融資を受けて、月々の返済を抑えてゆとりのある生活をするのは良いことかもしれませんが、住宅ローンを借り入れした30歳の人が払い終わるのが80歳なんて現実的ではないですよね。

このような事を書くと、実際に借りている方々は

繰り上げ返済して60歳位までに返済を終わらせる

住宅ローンは払えなければ不動産を売却して完済すれば大丈夫

と思うかもしれませんが、実際に生活をしながら繰り上げ返済をするのはものすごく大変ですし、将来的に不動産を売却して完済できる物件や地域が、どれだけあるかは不透明な状況ですからね。

この10年間は、金融緩和政策やコロナ禍の異常な融資と助成金・協力金等でバブルが起きていると考えて良いでしょう。

その一方で、倒産件数が1万件を超えていたり、金融庁が発表している法人・個人の貸付条件変更(リスケジュール)の実行が2024年9月時点で法人304万7397件・個人14万6584件となっているのが現実です。

前記のことや、昨年の3月から日銀が発表している利上げが予定通り実されることを鑑みると、過去10年間とは全く違った状況が予想されます。

皆さんが思っているような良い方向に向かえば問題はありませんが、想定外の悪い方向に進んだら徐々に不穏な雰囲気になる可能性もあります。

個人的には、住宅ローン借入期間50年が平成のゆとりローンの二の舞にならない事を祈るばかりです。

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