抵当権が設定されていない不動産でも競売を申し立てられる事があります

抵当権が設定されていない不動産とは、その不動産に対して特定の債権を担保するための抵当権が設定されていない状態の不動産を指します。

抵当権が設定されていない不動産であっても、不動産の所有者が債務不履行になった債務者の連帯保証人になっていたり、法人の借入れの個人保証をしている場合には、その保証債務の履行を請求されることがあります。

その請求された保証債務を履行しない場合には、債権者に不動産等の資産を仮差押えされてから、債務名義を取得して裁判所に差押・競売を申し立てれる事になります。

消費者金融から借入して返済をしないと、消費者金融会社は債権者として債権回収するために債務者の不動産等の資産を差押・競売を裁判所に申立てをします。

遺産分割調停による競売は、相続人同士で遺産分割の合意ができない場合に、家庭裁判所が関与して解決を図る方法の一つです。

調停が成立しないと、家庭裁判所は最終的に遺産を強制的に分割する「審判」を下しますが、特定の不動産を分けられない場合、その不動産を競売にかけて現金化し、その後に相続人間で分配されることになります。

この競売は、一般の競売と同じく、裁判所を通じて実施され、売却代金が公平に分配されます。

相続財産管理人による不動産競売は、相続人が不在または不明の場合に行われます。

相続財産管理人は、家庭裁判所によって選任され、故人の遺産を管理します。

相続人が現れない場合、管理人は不動産を含む財産を整理し、必要に応じて競売にかけます。

競売で得た代金は債務の清算や最終的な相続処理に充てられ、残った資金は国庫に帰属します。こ

の手続きにより、放置された不動産の適正な処理が可能になります。

共有持分の分割請求は、複数の人が共有している不動産の権利を個別に分けたい場合に行われる手続きです。

共有者の一人が他の共有者に対して、共有不動産を分割するよう求めることができます。

合意が得られれば協議による分割が可能ですが、話し合いがつかない場合は、裁判所に分割を請求することができます。

裁判所は、現物分割（不動産自体を分割）や代金分割（不動産を売却し代金を分配）を決定します。

現実的に不動産を物理的に分けることが難しい場合、競売にかけて代金を分けることが多いです。

抵当権が設定されていない不動産でも、特定の状況下では競売を申し立てられることがあります。

競売＝住宅ローン滞納で抵当権を実行されての競売というイメージがあるかもしれませんが、相続トラブルによる遺産分割調整や連帯保証による債務履行請求のようなケースがあります。

抵当権がないからといって競売が避けられるわけではなく、他の法律や債務関係に基づいて不動産が強制的に売却されることがあるため、注意が必要です。