今回は「市街化調整区域の不動産を机上査定?それって大丈夫ですか?」のお話です。
近年、不動産の査定額を調べる際には不動産査定サイトを利用する方が増えているようですね。
弊社は不動産査定サイトには参画していませんので反響数がどのくらいなのかは分かりませんが、不動産会社によっては多くの反響数があるようです。
不動産査定サイトについては、各不動産会社がいかに早く問い合わせをした人に連絡が取れるかのスピード勝負のような状況になっている事から、超が付くほどの簡易査定となっているので参考程度にしたほうが良いでしょうね。
弊社が多く取り扱っている市街化調整区域については簡易査定では参考価格にもならない時もあるので注意して下さい。
市街化調整区域の不動産は地目が宅地であっても、自治体によって開発許可・用途変更の制限や条件が若干の違いがあるため簡易査定では正確な査定価格が算出できないのが現実です。
登記簿謄本で地目や登記の日付を確認しただけでは分からないことが多くあります。
弊社が、市街化調整区域の不動産の売却相談を頂くと最低でも1週間必要で役所調査や査定書の作成し売却計画と価格を提案する事が通常の流れです。
「1週間も査定に時間が掛かるの?」
と思われる方もいると思いますが、役所で調査する内容が多くあり売却の方向性を定めなければ査定価格を算出しなければならない場合は3週間位のお時間を頂く場合があります。
役所調査をして不明な点があったり、売却の方向性を定める場合は相談票を役所の担当部署に提出します。担当者からの相談票の回答は約2週間は掛かりますので査定書が出来上がるまでには3週間位は必要ですね。
この相談票の回答内容を踏まえて売却の仕方や売却先を考えて価格設定をしなければならないのですが、相談票の回答内容を理解できなければ・・・、意味がないんですけどね。
最近、キャリア30年以上の不動産会社の社長と話す機会がありましたが「市街化調整区域の役所調査は担当者が何を言っているのか分からない」と言っていました。
その社長の会社からに車で15分も走れば市街化調整区域なんですけど、分からないもんは分からないなんでしょうね。
このように市街化調整区域の不動産を査定する時は役所調査は必須で、間違っても机上査定・簡易査定を謳い文句にしている不動産会社や不動産査定サイトに依頼すると取り返しがつかないような査定価格にはなるので注意しましょう。
動画サイト等の動画広告で「不動産を売却する時に住所を入れるだけで自宅の価格が分かるんですよ」なんて不動産サイトでは、正確な査定価格が提示される可能性は低いですからね。
その査定を行っているのも同業者なので、言い過ぎると同業批判になってしまうのでこれ以上はやめときますね。
このブログを読んでいる方で市街化調整区域の不動産売却を考えている場合は査定・売却を依頼するときは長い目で不動産会社からの連絡を待ってあげて下さい。