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今後、競売・任意売却による不動産売却が増える可能性を説明します

近年の不動産市況は金融緩和政策やコロナ禍における助成金・ゼロゼロ融資によってバブル状態と言って良いでしょう。

しかし、倒産件数はコロナ禍では過去最低の件数になっていましたがコロナ禍の終息が見え始めた2023年の件数はコロナ禍前と同等の8000件超となりました。

この事はバブル状態の崩壊の兆候と見るか元の経済状態と捉えるかで、今後の生活への影響は大きく変わってきます。

企業の倒産件数の増加は気になるところですが、それよりも失業者数の変化を注力するべきだと思います。

又、コロナ禍で金融庁からお達しで個人・法人の債務者への貸付条件の見直しを積極的に行ってきた各金融機関の対応が気になるところです。

このブログでは不動産競売や任意売却が増える可能性と増える条件・時期等を解説しますので住宅ローン・事業融資の返済が不安な人は参考にして、今後の対応をお考え下さい。

金融緩和の終了・金利引上げ

日本銀行は、2013年4月に「量的・質的金融緩和」を導入し2014年には拡大、2015年には諸措置の導入、2016年には「-金利付き量的・質的金融緩和」「金融緩和の強化」を行いました。

この事により「お金を借りやすくなる」状態になりました。

これに伴い不動産取引・建築が盛んに行われるようになりました。

しかし、日本銀行が2023年に金融政策の見通しを発表しましたので2024年以降に金融緩和政策が解除されると金利上昇の可能性があります。

これにより、住宅ローンなどの金利が上昇し、不動産流通が鈍くなり不動産価格が下がった状況で支払い負担が増えることにより競売・任意売却で不動産を売却せざるを得ない状況になる可能性が高まります。

倒産件数・失業者の増加

2020年からの新型コロナウィルスの感染拡大の影響で落ち込む経済を活性化させるために政府は様々な助成金・補助金等で中小企業の倒産を防ぎました。

又、通常では考えられないような融資審査でゼロゼロ融資の実行で多くの中小企業を助けました。

しかし、コロナ禍が終息して助成金等が無くなり通常の通りの経営を余儀なくされた中小企業が2023年には8000件超の倒産してしまいました。

倒産件数自体は、コロナ禍前に戻ったということになりますので経済に影響は無いという見方もありますが、倒産が増えるという事は失業者も増える可能性はあります。

失業すれば一時的にでも収入が減少してしまい住宅ローンの返済が困難になってしまう人が急増する可能性は高くなります。


ゼロゼロ融資の返済開始

コロナ禍においてゼロゼロ融資が始まったのは2020年からです。始まりは日本政策金融公庫や商工中金等の政府系金融機関が融資を実行しました。その後、民間金融機関も融資実行するようになりました。

ゼロゼロ融資は、新型コロナウイルス感染症の拡大で売上が減少した中小企業を支援するために実行された融資です。

金融機関に支払う利子は公的機関が3年間負担し、実質無利子(利子ゼロ)・無担保(担保ゼロ)だったことから「ゼロゼロ融資」と呼ばれています。

実行されたゼロゼロ融資の実行額40兆円以上といわれています。その返済が本格化したのは2023年7月からです。

2023年の倒産件数の急増とゼロゼロ融資の返済開始時期のタイミングが重なっていることから2024年以降は更にゼロゼロ融資の返済で苦しむ中小企業が増えることが予想されますので「倒産急増=失業者増加」が競売・任意売却が急増する要因になると言っても良いでしょう。

金融機関の貸付条件変更の延長か継続(リスケジュール対応)

新型コロナウィルスの感染拡大で収入・売り上げが減少した個人・法人が住宅ローン・運転資金の融資の返済が厳しくなっている債務者のために、金融庁が各金融機関の対して積極的に貸付条件の変更(以下リスケジュール)を受け付けるようの指示をしています。

このリスケジュールがコロナ禍という特別な状況での金融機関の対応ですので、コロナ禍が終息した時点でリスケジュールの延長が継続されるのか延長されるのかで、返済不能の債務者と不良債権化不動産の増加で任意売却または不動産売却の増加に伴う不動産価格が下落する恐れがあります。

金融機関がリスケジュールや債務の再編成を行う場合、これが不動産の所有者にとって十分な解決策とならない場合、売却が選択される可能性があります。

金融庁が公表しているデータはこちら
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金融機関における貸付条件の変更等の状況について

行政の対応

政府や地方自治体の行政の対応も任意売却に大きな影響を与えます。

なぜ?と思う人もいるでしょうが、コロナ禍において税金滞納には柔軟な対応をしてきたと思われます。

コロナ禍が終息してきたことによって税金滞納による不動産差押が増えている情報が流れています。

税金滞納による不動産の差押は、不動産を売却する際にも大きな足枷になります。

金融機関によっては金銭消費貸借契約の条項に「担保不動産に差押等の登記がされた場合は期限の利益を喪失して一括請求する」内容の条項が記載されています。

万が一、金融機関が税金滞納による差押を知った時には差押・競売を申し立てるリスクもあります。

このような事から行政から差押された不動産は、通常の不動産売却をする場合でも困難になる事が多く結果的に売却不能をなり競売・任意売却となるの場合も多くあるので注意しましょう。

不動産価格の下落

任意売却・競売による不動産売却が増える大きな要因は不動産価格の下落です。

これが1番の要因と言っても過言ではありません。

任意売却は抵当権の残債務額よりも不動産価格が低い状態になった不動産を売却するスキームです。

不動産価格が高騰している状況では、住宅ローンや事業融資の返済が困難になった場合は不動産を売却することによって残債全額を完済することができます。

しかし、不動産価格が下落すると不動産を売却しても残債全額を売却することができなくなりますので、抵当権が抹消できずに売却を断念し競売になるか任意売却を利用して競売よりも多くの残債額の返済を試みる人が増えてきます。

コロナ禍において不動産価格が高騰した事によって任意売却・競売は1都3件では激減しています。

平時であれば任意売却のスキームを利用しなければ売却できなかった不動産でもコロナ禍という特別なタイミングで売却した事によってシンプルに売買・所有権移転できた可能性もあります。

今後、任意売却を利用しなければならない状況や競売物件が増加するようになるのは不動産価格が下落すると可能性が大いに高まります。

まとめ

これらの要因が同時に影響し合うことで、不動産市場において任意売却が増加する可能性があります。

しかしながら、これはあくまで予測であり、実際の市場動向はこれらの要因だけでなく、様々な要素に影響されることも考慮する必要があります。

特に、各金融機関・行政の対応や経済政策の変動が市場に与える影響は大きく注意が必要です。

住宅ローン・事業融資の返済が厳しく担保不動産の売却を考えなければならない状況の方は早めに売却の準備・行動したほうが良いでしょう。

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