今回は「住宅ローンを変動金利で借りた人のリスク?」のお話です。
令和6年3月に日銀がマイナス金利政策の解除を発表しましたね。
住宅ローンの金利が爆上がりするのではないか!なんて報道されていますが、どうなるのでしょうか?
近年、住宅ローンの変動金利は1%以下の低金利で推移されています。
金融機関によっては0.3%位の金利で融資しています。
20年以上前の住宅ローンの金利は3~4%だった事を考えると超低金利と言えますね。
テレビ・ネット等のニュースでは「住宅ローンの金利が上がるのではないか」や「変動金利で借入をしている人は危険」などの情報が流れていますが、金融緩和解除された瞬間から数パーセント急上昇するわけではないので慌てふためいても仕方のないことだと個人的には思っています。
それよりもシンプルにリスクを抱えている事を感じたほうが良い場合が多くある事を見逃してはいけません。
住宅ローンを借り入れている人の多くは低金利の変動金利を選んでいるもののリスクがあると感じている方は少なからずいるようですね。
確かに長期の借入期間で金利が上がる危険性はありますが、私が住宅ローン返済・滞納のご相談を頂く時に
「変動金利だから返済が厳しくなった」と言われたり思った記憶はありません。
それよりも、住宅ローンの借り方についてリスクを感じる事は他にあります。
まずは、シンプルに「借り過ぎてしまった」パターンです。
不動産の購入金額の全額を借り入れている方やそれにプラスアルファ諸費用ローンも借入れた方が返済に行き詰まってしまうケースが多くあります。
また、年収に対して借入可能額を限界まで借入れをしてしまうと、生活環境の変化で徐々に返済が厳しくなっていくケースです
この場合は、高額の不動産を購入するにあたって気持ちが高揚して金銭価格が麻痺してしまって借入可能額ギリギリまで借入したしまった事で、ちょっとした事で返済ができなくなってしまうパターンです。
その次は、不動産購入時・住宅ローンの借入時の年齢です。
最近では65歳の定年退職が一般的になってきました。65歳で住宅ローンを完済するには30歳の時に不動産を購入して住宅ローンを組まなけれなりません。
30歳で高額に不動産を購入する事は簡単でありませんから、多くの方は30歳台半ば以降に住宅ローンを組みますよね。
仮に40歳で住宅ローンを組んだ場合、完済年齢は75歳です。一般的なサラリーマンであれば、65歳からの10年間で収入が下がらない可能性は低いと思います。
例えば、65歳で定年退職した時に年収が900万円だったとします。この年収に対しての住宅ローンの返済額(以下、返済比率)が25%だったとします。
返済比率25%は、通常であれば住宅ローン返済が負担にならない金額と言われます。
しかし、住宅ローンの返済は変わらずに定年退職後に年収が半分の450万円になったりすると一気に危険水域に入ります。
返済比率が50%になるとそれなりに生活水準を変えるか、預貯金を切り崩して返済するか繰り上げ返済をしなければなりません。
定年退職後の10年で感覚的に返済額が2倍になるような状況を乗り切る事ができるでしょうか?難しいですよね。
住宅ローンの低金利が明らかに得を感じるのは返済が終わった時かもしれません。
住宅ローンの返済期間中は、低金利については毎月の返済額が若干低くなる事と残債額の減り方が変わりますが低金利を実感する事は余りないかもしれません。
私は住宅ローンの返済が厳しくなる時は、数百万~数千万という一括では返す事ができない残債額がある事は低金利であろうが高金利であろうが直接的な関係はないと考えています。
そして、固定金利でも変動金利であって返済が厳しくなる時は月々の返済ができない状況になってしまった時です。
もちろん金利も大切ですけど、低金利であっても完済できなければ意味がないので注意して下さい。
今、住宅ローンの返済が厳しくなっている方は借入時から返済中の事を思い起こしてみて下さい。
借入時と現在の収入に対しての返済比率と返済終了時の年齢を考えると、今後の行動が決まると思います。