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不動産が差押えられたら残債額を一括返済請求されるお話です

今回は「不動産が差押えられたら一括返済請求されるお話です」のお話です。

最近、不動産に差押・仮差押された方からのご相談やお問合せが増えているので情報発信している内容が若干偏ってしまい申し訳御座いません。

このような状況で感じるのが「あまり景気は良くないしバランスの悪い世の中になっている」という事ですね。

表題についてお話をしますね。

不動産を差押えられると債務額全額を一括返済を求められる事は良く聞く話ですよね。

このブログでお話するのは、複数の債権者から担保物件に抵当権が設定されていたり借入している場合に債権者1社から不動産に差押えがされると他の債権者からも残債の全額を一括返済されるという事です。

仮に、不動産に差押をした債権者と協議をして解除されたとしても他の債権者の債務については期限の利益を喪失されているため一括返済を請求されることになります。

「えッ?なんだそれ?」と思われる人もいますよね。

でも、お金を借入する時、金銭消費貸借契約の売買契約書の条項に記載されているんですよ。

覚えてますか?

銀行で住宅ローンを借り入れする時に金銭消費貸借契約書やら保証委託契約やらに新住所と名前を書いたり、口座を開設したりしたことありましたよね。

その金銭消費貸借契約書の契約条項に記載してあるんですよ、こんな内容の文書が。

期限の利益喪失条項

  1. 借主が次のいずれかの事由に該当した場合、貸主は通知・催告を要せずして直ちに本契約に基づく貸付金の全部または一部について、期限の利益を喪失させ、残額を一括して返済させることができるものとする。
    1. 本契約に基づく返済を一度でも遅滞したとき
    2. 借主が破産、民事再生手続き、会社更生手続き、または特別清算手続きの申し立てをした場合、もしくはこれらの申し立てを受けたとき
    3. 借主が差押、仮差押、仮処分、または競売の申し立てを受けたとき
    4. 借主の財産状態が著しく悪化し、またはそのおそれがあると認められるとき
    5. その他、本契約に定める義務に違反したとき

3項に書いてある通りに担保不動産に差押・仮差押の登記がされた時は一括返済請求ができると記載されているんですね。

「そんなの覚えてるか~」とか

「そんな内容は聞いてないよ」

という人もいると思いますけど、私の知っている限り金融機関の担当者が、しっかりと説明している場面は見たことがありません。

私が経験したのは、金融機関の担当者から「山中さん(筆者)は任意売却しているから期限の利益喪失の内容を嚙み砕いて分かりやすく説明してあげて。銀行(債権者)の立場からは説明しづらいんだよね」と頼まれた事があるくらい、担当者によっては説明することを嫌煙している内容のようですから、債務者本人が「知っている」「覚えている」かは何とも言えないんです。

前置きが長くなりましたが、簡潔に申し上げますと担保不動産が差押・仮差押されたら申立人以外の債権者も悠長に分割返済なんかさせずに債権回収のために一括返済をするということです。

「それじゃ不動産が差押られている事を内緒にしておけばイイじゃん」と考える人もいますが、担保不動産が差押えられて競売を申し立てられると管轄裁判所から各債権者に執行手続きをするにあたって同意書に署名捺印を求められますので、この時に担保不動産が差押られたと分かります。

抵当権者によっては念の為に差押えをする場合もありますし、口座に残っている現金を回収してしまうような場合もあります。

「大手銀行は、そんなことやないよね」

「住宅ローンは払い続けているから大丈夫だよね」

と思われる方もいますが、このような対応は大手銀行も行いますし、1社は払わなくて差押されたけど他の債権者に対しては返済しているのであっても分割返済が不可能になることはあります。

このように不動産が差押・仮差押をされると生活面でも仕事をするにおいても大きな支障をきたすことは確実です。

可能な限り早めに判断をして差押・仮差押を避ける行動を取りましょう。

不動産に差押・仮差押をされた時の状況を知りたい方はこちらのブログを読んで下さい

【不動産に差押・仮差押の登記がされると、どうなるか説明します】

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